フォワード・クエンダ(Forward Kwenda)


フォワード・クエンダ

1971年ジンバブエのブエラ地方生まれ

トーテムはエランド

ムビラ奏者として素晴らしい才能を持ち、

語るようなメロディアスのムビラのサウンドは、

世界でもファンが多い。

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フォワードは10歳の時に彼の母親に宿る“雨を降らせる精霊”のために
ンゴマ(ドラム)とホショ(シェイカー)の演奏をはじめた。

若い頃は他人からムビラを借り、
ラジオから流れる音を聞いてムビラの練習をした。

13歳の時にジンバブエの首都のハラレに移り住み、
1年以内でラジオの国営放送でムビラの演奏を披露するようになる。

その時期、彼は強い力を持つ雨を降らせる精霊によって
「おまえはショナ族の儀式でムビラを演奏する事に人生を捧げる者となるであろう。」
と啓示を受ける事となる。

彼は“希望通りの精霊を呼ぶ、特に儀式においては最初に演奏する曲の終わりに精霊を呼ぶ少年”
として知られるようになった。

先祖の精霊達はフォワードの演奏を好み、
演奏がはじまるとすぐにやって来る。
そのためフォワードはジンバブエ国内でとても必要とされている人物である。

フォワードは「私ではありません。私の精霊がただ私を通してムビラを演奏しているだけです。」
と言い、
自身のムビラ演奏の素晴らしさを自分の名声を得るために使おうとはしない。

【wikipedia(英語版)より意訳】

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フォワード・クエンダ氏インタビュー

ムビラとの関わりについて

質問:あなたの正確な名前はフォワード・クエンダですか?

私の名前は、
フォワード・エリック・タニャニワ・クエンダ
(Forward・Eric・Tanyaniwa・Kwenda)です。

タニャニワはショナ語の名前で、
私の身分証には書かれていません。

エリックはアレクサンダーという言葉の間違えた発音からきています。
それは私の母のsister(姉か妹)からきているのです。
彼女は、
アレクサンダーという息子を持っています。

私が産まれた時、
彼女は私の母を訪ね、
「おー、私はこの男の子に私の息子と同じ
アレクサンダーという名を与えましょう。」
と言いました。

しかし、
昔の人たちはアレクサンダーという発音が出来ませんでした。
なので皆はアレック、アレック、と呼び、
そしていつからかエリックとなり、
私の名前はエリックになりました。
しかし、実際の私の名前はアレクサンダーなのです。

タニャニワの意味はtoo much(とてもたくさんの)という意味です。
悪い事に関しても、良い事に関しても、
“とてもたくさんの”
という意味の言葉がタニャニワです。

質問:あなたはマシンゴ(※1)で産まれたのですか?

いいえ、私はマニカランドのブエラ(※2)地方で産まれました。

質問:あなたが若かった時、
たくさんのムビラプレーヤーがまわりにいたのですか?

いいえ、私のまわりではムビラは弾かれておらず、
ンゴマ(※3)を叩いて踊る音楽を奏でていました。

しかし、私の母はマショナランド北部の出身で、
彼女はムビラを奏でる家庭に生まれました。

彼女は私の父と結婚をし、
その家族の一員となりました。
クエンダ一族にムビラを紹介したのは彼女でした。

そして私は私の母を通じてムビラのとりことなりました。

私の母は精霊の媒体でもありました。
とても大きな精霊の媒体で、
彼女は雨を止ませる事も何でも出来ました。

質問:時々、精霊が彼女に降りてきたのですか?

はい、彼女には精霊が降りてきました。
そしてその精霊が私たち、私たちの一族を導いてくれました。

これが、私がどのようにムビラを知り、
ムビラのとりこになった、
そして今の現在までとりこになっている、
という事です。

しかし不幸な事に、
私の母は10年前に亡くなってしまいました。

返答:それは悲しいことです。

いえ、いいんです、大丈夫です。

質問:あなたの父や兄弟もまたムビラを演奏するようになったのですか?
それともムビラ音楽を聴くだけでしたか?

彼らはただムビラ音楽を聴くだけでした。

しかし、私の兄弟の1人はムビラを演奏していました。
とても昔の話です。
彼がまだムビラの演奏を覚えているのかどうかは分かりません。
しかしあの頃は、
私も彼も一緒に演奏していたのは確かです。

しかし、
私の母の一族のほとんどの人達はムビラを演奏しました。
私の母の兄弟や姉妹はムビラを演奏して、
とても上手に歌いました。

しかし、
彼らはムビラの演奏を止めてしまいました。

彼らのある人は軍隊に入隊したり、
彼らのある人は死んでしまったり、
私の母の兄弟はとても年老いて何も出来なくなってしまいました。
そして私の母の一族には、
ムビラは働かなくなってしまいました。

質問:しかし、昔のその当時は、
あなたの母の一族は、
あなたの家を訪れ、
ムビラを教えたりしていたのですよね。

そうです、その通りです。
彼らは今もムビラを愛していますし、
私のムビラの音楽CDを持っていたりします。

また、私は彼らの中の1人に会いました。
私の母の兄弟の妹の息子、
彼はムビラに興味を持っています。

彼はムビラを手に取り、私に、
「こっちに来てよ。一緒にムビラを弾こう。」
と言います。

私は忙しい身ですが、
彼と一緒にムビラの演奏が出来る時間を
持てるようにしなければなりません。

私は、彼がムビラを弾きたがっている事を知っています。
彼はムビラの演奏方法を知るべきです。
なぜなら、一度、ムビラの演奏を知ったら、
何年ムビラの演奏を止めても、
まだ知っているし、
弾く事が出来るからです。

ムビラの起源について

質問:あなたはムビラの起源を知っていますか?

それについて私は一つの解答を持っています。

まだ私がムビラを弾き始める前、
夢を見ました。

私は水の中に入っていき、
ムビラを水底から拾い上げました。
その夢を見た後から、
私はムビラを習い、弾き始めました。

質問:それはいつの話ですか?

私がおよそ12歳の頃の話です。
その時に私はその夢を見ました。

そう、ムビラは水の中からやってきたのです。
ほとんどの人々は、精霊でさえ言っています。
彼らはムビラが河からやってきた、
という事を知っています。

しかし、河からやってきた、という精霊もいるし、
山からやってきた、という精霊もいるし、
石からやってきた、という精霊もいます。

私は本当にその歴史を理解しているわけではありません。
私はまだ探しているところです。

多分、いつか、
もし私がジンバブエの一部である
真の精霊からメッセージを受け取ったら、
私は、ムビラの起源に関して、
何が起こったのかあなたに伝えるでしょう。

なぜなら、そこにある問題は、
私たちは、今、人々がミックスされているので、
私たちが正確には、
それについて何とコメントしたらいいのか分からない、
そんな感じなのです。

ムビラの演奏について

質問:あなたがムビラを弾いている時、
あなたの声はとても美しいですが、
ムビラを弾いている時、
何かを考えていますか?
もしくは何かを見ているのですか?

それはとても良い質問です、
ありがとうございます。

私がムビラを弾いている時はいつも何も考えていません。
ただ音楽を感じているだけです。

ただ、ムビラが私の頭全てにやってきます、
私の頭、心全ての場所がムビラで満たされている状態です。

そして私は先祖の精霊の映像(ビジョン)を見ています。

それは踊っていたり、
また人魚が踊っていたり、
彼らは楽しんで歌ったりしていて、
また、時には先祖の精霊がやってきて、
踊って、私に話しかけてきて、
それはショナ語とは違った言語で、
私には理解できない言葉ですが、
ムビラを弾いている時は、
私はその言葉を理解しています。

ムビラを弾いている時、
その言葉を理解する事は難しいことではなく、
簡単な事なのです。

ある時、ムビラを弾いた後、私は考えました。

(あれは何だったんだ?
精霊は私に何と言ったんだ?)

ある日、
私はその事について深く考えました、
そして私はムビラを再び手に持ち、
弾き始め、考えに考えました。

すると精霊が私に言いました。
「それはムビラの言語で人の言葉ではありません。」

そう!それはムビラ語だったのです!

その時、私は思いました。
(そういう事か。
それが私がムビラを弾いている時に見ているものだったのか。
ムビラを弾いている時は、
私は考える事が出来ず、
全ての音は私の心に落ちてきて、
私の心に杭を打ち込む。
時には、私の心を通過するもののおかげで、
正確に何と演奏しているのか分からなくなる、
そういう事か。)
と。

これが真実です。
精霊を見ているだけなのです。

この事によって私は知りました。
ムビラの声は精霊なのです。
それはただの音楽、
というだけのものではありません。
それは先祖の精霊なのです。

もしあなたがとても気を付けて
私がどのように歌を演奏しているのか全てを聴けば、
あなたが「これは言葉だ!」とか
「人が話をしている!」と言う事はたやすい事です。

私は未だにそれについて見ようとしています。
私はいつもムビラが何を私に対して、
という事を聴いています。

ムビラを弾いている時、
私は祖先の精霊と話をし、
彼らは私に話しかけ、
時には「アハハ。」と笑ってしまったりもするのです。

ムビラを学ぶために

質問:日本でムビラを学んでいる人たちに、
何かアドバイスがあればいただけますか?

まずはキーの声を学ぶ事です。

それぞれのどのキーが何と言っているのか、
“ボーン”と言うキーもあるし”ドーン”と言うキーもあります。

全ての声を学ぶ事からはじめるのです。
それから、
あなたが全てのキーの声を理解したら、
ムビラを演奏します。

その時には、
ムビラを演奏するのは簡単な事になっているでしょう。

これは私がムビラを学んだ方法です。
夢の中で声が私にやってきて、
先祖の精霊が
「聴きなさい、このキーはこう話しています、
このキーはこう話しています。」
と伝えてくれました。

私は、
「OK、そうかOK,OK,OK。」
と理解していきました。

そして私はラジオから流れるムビラの音色を聞いて、
私自身の事をこう思いました。
(私はもうキーの事を知っている。)
と。

だから私のアドバイスはキーの事を知る、
という事です。

そうすれば失敗する事はありません。
しかし、もしあなたがキーの事を知らなかったら、
それはとても難しいものになるでしょう。

ムビラの師匠が言ったとします。
「”ボン、ボン、ボン、ボーン”
はい、これがネマムササ(※4)です。」

しかし、
キーを知らない人にとっては、
どのキーが何と言っているのか知らなかったら、
それは、とても難しいものでしょう。

キーを知らない人が、
どうやってムビラを学べるのですか?

私は発見しました。
私がアメリカやカナダに行った時、
私が彼らにキーが何と言っているのか説明すると、
彼らは弾けるようになるのです。

「このキーがAです。
これがC、これがB、これがH、”ABCHFE(エー、ビー、シー、
エイチ、エフ、イー)”これがネマムササです。」
と。

今では、彼らはムビラを簡単に弾いています。

あなたは知らなければなりません。
どういうキーの流れがマホロロ(※5)で、
どういうキーの流れがタイレヴァ(※6)である、
という事を。

もしあなたがこれらのキーの事を知れば、
あなたは少しずつ自分自身で学んでいく事ができるようになるでしょう。

日本人へのメッセージ

質問:最後に、日本の人々にメッセージをいただけますか?

日本人は彼らの文化を愛しています。
どうかあなたたちの文化を保ち続けてください。

それがお互いの文化を持ちながら、
お互いが簡単に一緒になれる方法でもあります。

私たちも私たちの文化を保ち続けています。

私たちは日本の文化を愛しています。
私もあなたたちがジンバブエの文化を愛している事を知っています。

お互い、兄弟となり、家族となり、進みましょう。
それが私たちの未来を構築します。

返答:ありがとうございます。
※1 マシンゴ

ジンバブエ南部にある都市

※2 マニカランドのブエラ

ジンバブエ中央部東に位置する都市

※3 ンゴマ

ジンバブエで演奏される太鼓

※4 ネマムササ

ムビラの曲の名前

※5 マホロロ

ムビラの曲の名前

※6 タイレヴァ

ムビラの曲の名前

 

♪フォワード・クエンダ氏の演奏♪

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